特殊清掃は、孤独死や孤立死などの現場において遺体の痕跡を取り除き、原状回復するための清掃作業のことをいいます。
亡くなったかが借りて住まれていた部屋は契約を解除され、故人の家族や大家、管理会社などが清掃をしなければなりませんが、死後日数が経過してしまっている場合には、一般的なハウスクリーニングや掃除では太刀打ちできません。
専用の清掃を請け負ってくれる専門の業者に依頼した方が賢明と言えるでしょう。
そこで、今回は特殊清掃の方法やどうして業者に依頼しなければならないのか、特殊清掃業務に関しての様々な疑問に特殊清掃のプロが解説していきます。
もくじ
特殊清掃とは?
特殊清掃とは、孤独死や孤立死などの現場において、遺体の痕跡を取り除き部屋の原状回復をするための特別な清掃作業のことをいいます。
孤独死では遺体の発見が遅れることが多く、遺体の外傷や腐乱の進行により、血液や体液が漏れ出してしまうケースがよくあります。このため、部屋から強烈な腐乱臭が発生することになります。
そして、遺体の発見が遅れれば遅れるほど、より強いにおいが発生してしまうのです。
「死臭」と呼ばれるこのにおいは、一般的なハウスクリーニングや、市販されている消臭剤などでは全く歯が立ちません。
専門的な知識と、専用の道具や洗剤などを用いて、部屋の異臭や汚れを取り除くのが特殊清掃業者の役割です。
特殊清掃のニーズは高まっている
現在の日本において、国民の4人に1人が65歳以上の高齢者といわれており、そのうち男性の10人に1人、女性の5人に1人が65歳以上の高齢者独居生活者であるといわれています。
そして、家族や親族との関係が希薄化したり、地域のコミュニティーに参加しなくなるなどの要因も関係し、高齢者が孤独死を迎えてしまうケースが年々増加しています。
孤独死した人の自宅を清掃する「特殊清掃業者」は、ここ5年間でその数を15倍にまで増加させており、そのニーズは年々高まりを見せています。
2050年には、高齢者の割合が全国民の40%に達すると予想されており、特殊清掃へのニーズはこれからも増加していくと考えられています。
特殊清掃の進め方~遺品整理も含めて解説~
では、特殊清掃の進め方を解説していきます。
今回は、孤独死が発生したケースを解説していきます。
業者によっては、複数人で行う場合もあるので順番は以下の通りであるとは限りませんのでご了承ください。
①特殊な洗剤で体液などを洗い流す
まず、部屋に入り、特殊な洗剤を噴霧しながら部屋を除菌・消臭します。
噴霧器を稼働しながら、特殊な洗剤で体液などを洗い流します。
②遺品整理や片付けなどを行う
掃除をしつつ、故人の遺品整理や片付け・清掃を行います。
遺品整理を行う場合は、依頼内容から進めていきます。
不要なもの・処分すべきものなど、部屋を原状回復していきます。
③害虫駆除を行う
特殊清掃には、どうしても蛆などの害虫が発生するので必要に応じて害虫駆除を行います。
④オゾン発生器で消臭を行う/除菌を行う
一通り清掃など終了したら、特殊なオゾン発生器を使って消臭・除菌を行います。
ここまで行うことで、ようやく部屋を回復させることができます。
~臭いがしみついた家財道具・フロア・畳を撤去し、リフォームする場合~
この家財道具・畳などの撤去に関しては、特殊清掃業者が行います。
但し、畳や壁の張り替えなどのリフォームに関しては、リフォーム会社が行う分野になります。
そのため、部屋のリフォームが必要な場合は、追加で徴収することがあります。
特殊清掃:コロナ罹患者だった場合はどうするの?
コロナ陽性者で自宅療養中に亡くなった場合も特殊清掃を行います。
通常の特殊清掃と特に変わりはありませんが、消毒や洗浄方法に関してウイルス除去まで行わなければなりません。
そのため、通常の特殊清掃よりも高くなる業者もあります。
遺品など、ウイルスが付着しているようなものはウイルス除去をして撤去など行います。
特殊清掃は業者に依頼するべき?
特殊清掃が必要になった場合、自分たちで清掃されることを考える方もいらっしゃると思います。
しかし、特殊清掃は文字通り、特殊な掃除ですので、一般的な部屋の掃除とは全く異なります。
また、ご家族やご親族へのご負担も相当なものになります。
そのため、特殊清掃を専門に請け負う業者に依頼するのが最善の方法と言えます。
では、なぜお業者に依頼するべきなのか解説していきます。
業者に依頼するべき理由
通常よりも確かな現状回復が求められる
特殊清掃を業者に依頼するべき理由に、「通常よりも確かな原状回復が求められる」という点が挙げられます。
誰かが亡くなったあとに、時間が経過してから発見された時には、遺体の腐乱が進んでいるケースがほとんどです。
腐乱した遺体からは血液や体液が漏れ出してしまい、部屋の中に汚れやシミを作ってしまいます。
この汚れやシミは、特殊な洗剤を使って除去していくことになります。
しかし、シミは床下や壁の深くまで及んでしまうことも多く、場合によっては床材をはがしたりして清掃しなければなりません。
そこまでしなければ原状回復も望めないからです。
一般の方ここまで清掃することは、とても困難であると言わざるを得ません。
殺虫処理を行わなければならない
腐乱した遺体にはハエやうじ虫などの害虫が発生していることが多々あり、近隣への被害を抑えるために殺虫処理をしなければなりません。
特殊な洗剤を使わなければ消臭・除菌を行うことができない
遺体から発生した腐乱臭を、二酸化塩素やオゾン発生装置、特殊な洗剤を使って消臭していきます。
においが消えるまで何度も作業を繰り返して行きます。
遺品整理・ゴミ清掃を行わなければならないことも
故人の家具や遺品についても処理をしなければならず、場合によってはゴミ屋敷のような状態になっていることもあります。
これでは、部屋を明け渡すまでに相当な労力と時間が掛かってしまうのは想像に難くありません。
はっきり言って、これらの作業を短時間にすべて家族や親族で行なうのは、無理と言って過言ではないと思います。
特殊清掃については、ノウハウを持った業者に一任することが解決への最短ルートであることは間違いありません。
ハウスクリーニングとの違い
「ハウスクリーニングに依頼すればよいのでは?」と感じるかもしれませんが、特殊清掃業者とハウスクリーニング業者は違いがあります。
ハウスクリーニングは主に家庭で発生するカビやほこりを除去する清掃を行います。
そのため、扱う洗剤が全く違うので体液など特殊な臭いや汚れには太刀打ちできません。
そのため、特殊清掃を行う場合は特殊清掃業者に依頼するべきです。
特殊清掃業者を選ぶポイント
では、こうした特殊清掃を行う業者を選ぶ場合のポイントを3点紹介していきます。
①信頼のある実績と経験の有無
最近では、コロナの影響あり、特殊清掃事業を始める業者が増えてきました。
中には、技術がないことで、臭いや汚れが残ってしまう残念な業者がいることも事実です。
業者のクチコミ・会社HPなどから情報を収集してから、依頼するようにしましょう。
②遺品整理・リフォームなどの追加料金は明確に記載されているのか
作業一式とすべての作業が一式で書かれている見積もりだと、どういった作業を行ったのかなどよく分からないまま依頼金を支払ってしまうことになりかねません。
明確な見積もり書を作成してもらうと共に、現地調査から追加料金の有無を明確に提示してもらうようにしましょう。
③アフターフォローはしっかりしているのか
作業終了後に臭いが残っている、遺品が残っているなどアフター対応をしっかり行ってくれる業者を選ぶようにしましょう。
また、ゴミの処分・家財などの処分も行ってもらえる業者を選ぶと、一括で終わるのでスムーズに作業を進めることができます。
特殊清掃ならケイアクティングサービスにお任せください
特殊清掃のことなら、ケイアクティングサービスにお任せください。
原状回復のための清掃作業はもちろんのこと、床の取り換えや壁の張替えなど、部屋の状態によって発生する簡単なリフォームも対応させていただきます。
特殊清掃についてお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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